フォロー

短編小説「白髪の双子」

白髪の少年少女が生まれれば滅びると言い伝えられていた国に、ついにその双子が誕生した。国民は恐怖に震え、双子の存在を忌み嫌った。彼らが魔力を覚醒させる前に殺すべきだという声が国中から高まり、国は作戦を練った。 双子の名はユウキとヒカリ。生まれてすぐに彼らの髪は真っ白に輝き、まるで光り輝く雪のようだった。しかし、彼らの目には驚くべき力が宿すと言うことをわからせるように雪の結晶が描かれている。その雪の結晶は魔力が既に彼らの体内に宿っていることを示す証拠だった。 国民たちはユウキとヒカリを見るたびに怯え、彼らの存在を忌み嫌いながらも、彼らを殺す決断を下すことは容易ではなかった。彼らはただの赤ん坊であり、罪のない存在だったからだ。しかし、国は絶望の中で行動を迫られていた。 ある日、国は双子の抹殺のための最終作戦を発動した。兵士たちはユウキとヒカリを連れ去るために家に押し入り、彼らを捕らえた。双子の両親は絶望に打ちひしがれ、涙を流しながらも何もできずに見送るしかなかった。 しかし、兵士たちが双子を連れ出す瞬間、予想だにしない出来事が起こった。ユウキとヒカリの魔力が一斉に覚醒したのだ。彼らの体全体から強力な魔力が放たれ、光の矢が兵士たちに向かって飛び出した。 光の矢は兵士たちを一瞬にして消し去り、彼らは跡形もなく姿を消した。国民たちは恐怖に震え、双子の力を目の当たりにして身を引いた。ユウキとヒカリは自由を手に入れ、国から逃げ出すことができた。 逃げる途中、双子は自分たちの力について理解し始めた。彼らの魔力は光の力であり、善意の象徴だった。彼らは人々を守るために力を使うことを決意し、世界を明るく照らす存在となることを誓った。 ユウキとヒカリは旅を続けながら、人々の心を癒し、困っている者たちを助けることになった。彼らの存在は国を超えて広まり、次第に人々の心に希望と勇気をもたらす存在となった。 そして、彼らが通り過ぎる土地では、白髪の子供たちが歓迎されるようになった。かつての恐怖と差別が消え去り、魔力を持つ者たちが尊重されるようになったのだ。 ユウキとヒカリは、自分たちの運命を受け入れ、愛と勇気をもって世界を変えていくことを決意した。彼らが巡る道はまだ長いが、彼らの魔力は闇を照らし、人々に希望を与え続けるのだった。