ある高校には、生徒たちの間で恐れられる存在がいた。彼の名は佐藤拓也。通称「うんこ番長」。 拓也は見た目も容姿端麗で、学業も優秀な優等生だったが、その一方で他の生徒たちに対しては冷たく、傲慢な態度をとっていた。彼が他の生徒をいじめることはなかったが、その存在感や言動から生徒たちの間で恐れられ、距離を置かれていた。 ある日、拓也は学校のトイレで1人の生徒、松岡智也と出会う。智也は小柄な体躯と優しい笑顔が特徴で、学校中で人気のある生徒だった。彼は拓也とは対照的に、誰にでも優しく接し、学校内での人間関係も良好だった。 智也は拓也の前で平然とトイレに入り、拓也は不思議な気持ちで彼を見つめる。智也が用を足している間、拓也は自分自身の感情に戸惑っていた。彼は智也に対してどうしても引かれるものがあり、そのまま智也のことを追いかけてしまいたいという衝動が芽生えていた。 智也がトイレから出てくると、拓也は思い切って声をかける。「おい、松岡。ちょっと話がしたいんだけど」。 智也は驚いたような表情を浮かべながらも、笑顔で答える。「何か用かい?」 拓也は少し固まってしまったが、勇気を振り絞って言葉を続ける。「実は、お前のことが気になってるんだ。なんか、他の生徒たちとは違う感じがするんだよ」 智也は微笑みながら拓也を見つめる。「ありがとう、拓也。でも、私は誰にでも優しく接するようにしているだけだから。特別な理由なんてないよ」 拓也は少し落胆した表情を浮かべたが、それでも諦めずに言葉を続ける。「俺も智也に対して特別な感情があるんだ。だから、もしいいなら、一緒に過ごす時間を作ってみないか?」 智也は少し考え込んだ後、優しい笑顔で答える。「いいよ、拓也。一緒に過ごす時間、楽しみにしてるよ」 それからというもの、拓也と智也は学校での関係を超えて、一緒に過ごす時間を増やしていった。彼らは一緒に映画を見たり、カフェでおしゃべりをしたり、互いの好みを知り合うことで、次第にお互いの心を通わせていった。 しかし、拓也はまだ自分の感情に正体をつかめていなかった。彼は智也を特別な存在として意識する一方で、それが友情なのか、それ以上の感情なのか、自分自身には分からなかった。 そんなある日、拓也は智也に告白する決意を固める。彼は智也を外の景色を見る公園に誘い、心の内を打ち明けることにした。 公園のベンチに座り、二人は穏やかな風景を見ながら話し始める。「松岡、実は俺、お前のことが好きなんだ」と拓也は緊張しながら告白する。 智也は驚いた表情を浮かべながらも、優しい声で答える。「ありがとう、拓也。私もお前のことが好きだよ」 拓也は安堵の表情を浮かべ、二人は幸せな時間を過ごす。彼らの関係は、友情から一歩進んで恋愛へと発展し、お互いの心を満たしていくのだった。 「うんこ番長」と呼ばれていた拓也が、智也との出会いをきっかけに、心の中に眠っていた優しさや愛情を見つけ出し、新たな自分を見つけることができたのだった。