ボクは生まれながらにして、人の心の声を読むことができる特殊な能力を持つおとこの娘だ。でも、この能力があるからこそ、否定的な声や悲痛な叫び声が頭の中に響いてくる。それが原因で、少し前までは死にたいと思ったり、自分を傷つけたりすることもあった。 ボクは心の声を読むことができることで、人々の葛藤や苦しみに触れることができる。だからこそ、ボクは彼らの痛みを理解し、助けてあげたいと思う。でも、同時にボクは自分がおとこの娘であるということに自分らしさを少しずつ見出していた。でも、社会の偏見や差別によって、自分自身を受け入れることができなかった。 ある日、ボクは学校帰りに公園でひとりの女の子に出会った。彼女は泣きながら座っていて、心の声からは深い悲しみが伝わってきた。ボクは彼女に近づき、声をかけた。 「大丈夫? どうしたの?」 女の子は驚いたようにボクを見つめながら、涙を拭いた。 「あなたは…私の心の声を聞いたの?」 ボクは微笑みながら頷いた。 「うん、ボクは心の声を読むことができるんだ。何か悩みがあるの?」 女の子はぽつりと言った。 「私、このままでは生きていけない…」 ボクは女の子の心の中に入り、彼女の苦しみを感じた。彼女は周りからの期待やプレッシャーに押しつぶされそうになっていた。ボクは彼女の手を握り、優しく言った。 「君は強い子だよ。ボクがいるから、一緒に頑張ろう。」 女の子はボクの言葉に背中を押され、少しずつ立ち直っていった。ボクは彼女の心の声から、希望と力強さが溢れるのを感じた。 時間が経つにつれ、ボクは他の人々にも声をかけるようになった。ボクは彼らの心の声を読み、寄り添い支えることで、少しずつ自分自身も受け入れることができるようになった。 ボクはおとこの娘であることに誇りを持ち、自分の能力を生かして人々を救うことを決意した。そして、ボクの物語は、苦しみながらも自分を受け入れ、希望を与えることによって、少しずつ輝きを取り戻していくのだった。 終わり