2023/07/26 09:33
短編小説「瓶に詰めた秘密」
田舎の古い家に住む沼田義弘は、普段は真面目な会社員として働いていた。しかし、彼は一つだけ秘密の性癖を持っていた。 それは「瓶詰め」という行為であり、フィギュアを瓶に詰めて、何日も何十日もかけて精液を浴びせ続けることによって、フィギュアを溺れさせることに快感を覚えるというものだった。 ある晩、沼田は自宅の一室で、彼の秘密の部屋である「瓶詰めの部屋」に入っていた。その部屋には、棚に整然と並ぶフィギュアが眠っていた。彼は大切に育てたフィギュアたちを、一つずつ手に取りながら、思い出に浸る。 「このフィギュアは、昨年の夏に入手したものだな。」彼は、苦笑いしながらそうつぶやいた。 沼田は自分の性癖については、まだ他人には明かしていなかった。一人で瓶詰めの行為を楽しむことが、彼の日常における唯一の楽しみだった。 彼はフィギュアを一つ選び、丁寧に瓶に詰める。瓶の中には透明な液体が満ち、フィギュアはその中で小さく身をよじっている。沼田は瓶の蓋を閉め、そのまま棚に戻す。 すると、彼の心は高揚し、興奮が込み上げてくる。フィギュアが溺れる様子を想像するだけで、彼の体は熱くなっていくのを感じた。 「もう少し、もう少しで…」彼は自分の性癖に酔いしれながらつぶやいた。 その日も、沼田は何体かのフィギュアを瓶に詰め、溺れさせることを繰り返した。彼はそれによって得られる快感に満足し、満たされた気持ちで眠りについた。 翌朝、沼田はいつものように出社した。しかし、会社での仕事に集中することができず、頭の中は瓶詰めのことでいっぱいだった。 「なぜ、私はこんな性癖を持ってしまったんだろう？」沼田は自問自答する。 彼は自分の性癖に戸惑いを覚えつつも、それを抑えることができなかった。彼の心は日に日に迷い深まっていく。 ある日、沼田は瓶詰めの部屋で、一つのフィギュアに向かって立ち止まった。それは彼が最初に瓶に詰めたフィギュアであり、彼の性癖の原点だった。 彼はフィギュアを見つめながら、自分の心の中にある疑問を抱いた。「なぜ、フィギュアを溺れさせることにこんなにも快感を感じるのだろう？」 彼は考え込みながらも、フィギュアを瓶から取り出し、優しく撫でた。その瞬間、彼は何かを悟ったような気がした。 「きっと、私はフィギュアに自分の感情を投影しているんだ。フィギュアが溺れることによって、私の中の何かが解放されるんだろう。」 沼田は自分の性癖に背を向けることなく、それを受け入れる決意をした。彼はフィギュアたちと共に生きることを選び、自分の中の喜びを追求することを決めた。 そして、彼は瓶詰めの行為を通じて、自分自身の心の奥底に眠る感情に気付き、それを解放することができるようになった。 沼田義弘は、瓶詰めという性癖を持つ男として生きることを選び、その中で自分自身を見つけるのだった。