僕の名前は斎木健。高校生になったばかりの16歳だ。普通の青春を過ごしたいと思っていたけれど、学校で習う道徳の授業が僕の心を揺さぶった。 「大人は正義の象徴であり、子供たちにとっての指針だと思っていましたが、実際は違うのですか?」 教室の中で僕は質問を投げかけた。先生の顔色が変わり、クラスメイトたちは戸惑った表情を浮かべた。 「道徳は理想の話であって、現実は複雑なんだよ。大人は時に暴力を振るったり、利己的な行動をとることもある。ただし、それが全ての大人に当てはまるわけではない。」 先生の言葉が僕の心に深く刺さった。道徳の授業では、正義や善悪について学ぶ。でも、現実世界ではそんな理想ばかりではないのかもしれない。 その日から、僕は社会の闇に興味を持つようになった。テレビのニュースで見る事件や、友達の話など、どんな小さな出来事でも大人たちの暴力や利己的な行動に関わっていることが多く、胸が痛んだ。 ある日、僕は通学途中に喧嘩をしている人たちを目撃した。一人の男がもう一人の男を殴りつけ、血だらけになった彼が倒れる。周りの人たちは見て見ぬふりをして通り過ぎていく。 僕は怖くて声を上げることができなかった。でも、その光景を見ているうちに、怒りと悔しさが湧き上がってきた。僕は何もできない弱い存在ではなく、誰よりも大人な大人になると心に誓うのだ。 翌日、学校での授業が終わると、僕は思い切って学校内の暴力に関する問題を提起した。クラスメイトたちは驚き、一部は賛成の声を上げたり、反対意見を述べたりした。 その日以降、僕は学校内での暴力やいじめに立ち向かう存在となった。校内の問題解決委員会に参加し、生徒たちの相談に乗ったり、教師と協力して解決策を考えたりした。 時には自分自身も危険な状況に立たされたり、周りの人たちからの反感を買ったりもした。でも、僕は自分の信念を貫くことに決めた。 数ヶ月後、学校内の暴力やいじめは減少し、生徒たちは安心して学ぶことができるようになった。僕は一人の高校生として、小さな一歩を踏み出したことを実感した。 「大人は暴力を振るうものばかりではない。僕たち若者も、できることから始めればいいんだ。」 そう言いながら、僕は笑顔で友達と話す。心の中で、自分自身に対しても言い聞かせるようにしていた。 僕は斎木健。青春の中で、自分自身が大人になるための一歩を踏み出した少年なのだ。