ある日の夜、田舎町にあるラーメン屋「うんこうどん」に、主人公の高橋智也が訪れた。 うんこうどんは、町の中心部から少し離れた場所にあり、周囲は暗く静かな雰囲気が漂っていた。智也は友人からこの店のことを聞き、一度食べてみたいと思っていた。 店内に入ると、薄暗い照明が灯り、壁には古びたポスターや絵が飾られていた。カウンターには背の高い男性が立っていて、厨房からは鍋の音が聞こえてきた。 智也はメニューを見ると、普通のラーメンとは異なる変わったメニューが並んでいた。例えば、「幽霊ラーメン」や「呪われたラーメン」といった名前が目立つ。 興味津々の智也は「幽霊ラーメン」を注文し、待つこと数分。出てきたのは、透明なスープに漂う白い麺と、薄く切られたチャーシューだった。 智也は舌を触れると、不思議な感覚が広がった。スープは冷たく、舌に触れた瞬間に身体が冷たくなったような感覚があった。麺も普通のラーメンとは違い、口に入れるとほのかな甘さと酸味が広がった。 食べ進めるうちに、智也は不思議なことに気付いた。店内の雰囲気が一変し、暗くうす暗い灯りの中に、幽霊のような人々が現れたのだ。 彼らは静かに座り、スープをすする音が聞こえてくる。彼らの目は何も見ていないように虚ろで、表情もない。 智也は驚きながらも、怖さよりも興味が勝っていた。彼はその光景をじっと見つめ、幽霊たちがいつの間にか消えてしまうまで待った。 店内が元の静けさに戻った後、智也はカウンターの男性に尋ねた。「あの幽霊たちは何なんですか?」と。 男性はにっこりと笑い、「ああ、それはただの演出ですよ。幽霊なんていませんよ」と答えた。 智也は驚きながらも、なぜか安堵の気持ちが湧いてきた。彼はうんこうどんを出て、町の暗闇に消えていった。 後日、智也は友人にこの出来事を話すと、友人は驚きながらも「それって、うんこうどんの特別なサービスじゃないかな?」と言った。 智也は笑いながら、「そうかもしれないね。でも、あの幽霊たちが演出だとしても、なぜあんなにリアルだったんだろう?」と考え込んだ。 彼はうんこうどんの謎に思いを馳せながら、また訪れることを決めたのだった。